きろへる家の資産形成

はっきり言っておきます。
資産形成とか宣っていますが、偉そうなことを言える知識も実績もありません。
どちらかというと、資産形成っぽいことを意識するようになったのはここ5年ほどです。

それまでは株式投資は友人とたまに行くパチスロと同じで、小遣いで遊ぶギャンブルのノリでした。

ただ、最近小学校でお金の授業をするとか、会社の後輩たちが将来の心配をするのを見聞きして、
自分の子供たちに金融教育をする必要性を感じ、反面教師としての自分をふりかえりたくなったのです。

結婚前のきろへる

私は、結婚前には資産形成の「し」の字も考えたことがない!とは言いませんが、まじめに将来を考えていませんでした。そもそも貯金すらあまり意識しておらず、稼いだ給料を飲食、書籍、PCパーツなどに浪費していました。

そんな私が金融機関に勤める友人の話を聞いて「株でもやってみるか」と株式投資をしたのは2007年。
この頃は個別株の値上がり益狙いと、出張が多かったのでANAの株主優待狙いで株を購入していました。

目先の小遣いを狙っていたので長期投資の発想はなく、個別株での投資としてはトータル100万円ほど損していると思います。半分遊びでやっていたので生活費を突っ込むようなことをしていなかったので、マイナスが出てもあまり気にしていませんでした。値動きをみて「へぇ~。結構上がったり下がったりするんだなぁ」程度の感覚です。

一方で、この頃は友人とパチスロで遊ぶのが楽しくて、休日の朝から晩までパチンコ屋で過ごすこともありました。
友人たちは私よりもパチスロ屋に入り浸っていましたが、私よりマイナスが少ないかプラスを出していて、こういうギャンブルでもお金を増やせるものなんだなと感心すらしていました。

あとは、中途入社した会社の持株会に入って、毎月1万円ずつ会社の株を買うことにしました。
資産を増やそうというよりは、そういう制度があることを知っていて興味を持ち、好奇心の範囲で始めたのですよね。その頃の浪費癖を考えるともっと掛け金を上げることもできたのですが「退職する頃に増えていたらラッキー!」程度のギャンブル的発想だったので、遊ぶお金として金額を決めました。当時の自分の優先順位が良くわかります。

結局、その他の浪費もあって結婚時の貯金は200万円あったかな?程度でした。

結婚当時

さて、その後結婚して家庭を持ちました。

私は貯金のほとんどを結婚式、海外旅行、新居の準備に使ってしまい、結婚生活をスタートしたころはほぼ貯金がゼロになっていました。独身時代に浪費していたことのツケが回ってきたということです。

一方で、家内はそれなりに貯金があると言っていました。
私に万が一のことがあってもなんとかできる程度の蓄えはある、、、と。

私の家内は仕事をしているのですが、独身時代から倹約家で、堅実に貯金を増やして定期預金に預けるという資産形成をしていました。これは当時、家内から聞いていた話ですが、実際にそうだったのだろうと思います。

結婚当時はお互いの資産を別管理していたので、私は家内がどれだけの貯金をしているのか知りませんでしたし、特に知ろうとも考えていませんでした。独身時代の貯金は個人のものですし、特にお金のことは知らない方がお互いのためだとも考えていました。

ただこの頃、堅実にお金を貯めなければなぁと考え始めたのですよね。
新居を住宅ローンで購入したのでローンの返済もしっかりやっていかなければなりませんでした。
そのうえで、子供も2~3人は欲しかったので大学までやれる程度には資産をつくる必要があるなと考えたのです。


でも私は自分が浪費家であることを知っています。ちゃんと自覚していました。
なので私は結婚を機に、家計を家内に委ねることで家計の貯金を確実に増やすことにしました。

上にも書いたように、家内は倹約家です。使わなさすぎと言ってもよいくらいです。
結婚して十数年経ちますが自分のものをほとんど買わない。必要なものも買おうとしないので、私が無理やり店に連れて行くことになります。子供のものはこまめに買うので無条件に倹約しているのではないのですがね。

なので、こういう家内に家計をすべて任せました。
この時、私から家内へ1つのお願いをしました。それは、もしも私の収入が増えたときには、私の小遣いは増やさずに住宅ローンの繰り上げ返済の資金に回してもらうこと。

住宅ローンの返済には35年分の利息が乗ってくることを計算していたので、私の浪費にお金を回すことは家の将来を考えたときにはマイナスです。住宅ローンの金利計算通じて35年間で支払う金利の積み重ねが馬鹿にできない金額であることを実感して、ようやくこの考えに至りました。初めて「複利」という概念に触れた出来事でもあります。

この頃は、貯金の資産運用は家内に任せていました。
家内はインターネットで定期預金のキャンペーンをこまめに調べていて、キャンペーン金利で定期預金に預けるということを年単位で繰り返していました。なので、貯金は少しづつ増えていきました。

東日本大震災

その後、東日本大震災が発生し、日本経済は一時的に混乱しました。

まぁ、株価という意味では悪夢の民主党政権が超円高を放置したおかげで国内製造業がどんどん海外へ生産拠点を移し、もともと低迷していたような気もしますが。

この時は私が東京電力の個別株で小銭を稼いだ程度だったのですが、この時の株式売買を家内が見ていたのですよね。別に隠れてやっていたわけでもないので見られても問題ありません。

ただこの時に家内の中で株式売買を身近に感じたようです。
東京電力の原子力発電所が当時の総理大臣の横やりであわやメルトダウン寸前まで行きましたが、その時紙屑のように価値がなくなった東京電力株が、時間をおいて回復していくのを見たことで、株式の価値が上下することと、一時的に株価が下がっても、やがてもとに戻ることを目撃したのですよね。

もちろん、被災した方にはお見舞い申し上げますが、株式という点では私にとっても非常に勉強になった出来事でした。

AI投資

東日本大震災と前後して、AI投資が世に出てきました。

私が試したのは2つ。
ただ、あらかじめ書いておきますが、きろへる的にはAI投資は「ナシ」という結論です。
要は「投資中に落ち着かない」という気持ちの問題なのですが、どちらも最大1年のうちにやめています。
参考までにリンクは貼っていますが、決しておすすめはしません。

THEO

ウェルスナビ

AI投資で魅力を感じたのは、資産の購入と見直しを自動でやってくれることです。
どちらもアンケートを通じて利用者の投資志向(ハイリスク・ハイリターン~ローリス・クローリターン)を判別し、その結果をもとに資産の構成を決めることと、運用中に見直し(リバランス)をやってくれるということです。

試すためにはそれなりの資金を任せる必要があると思いつつ、お試しである以上はなるべく少額で運用したい気持ちのはざまで悩み、最終的に100万円ほど投入したような気がします。(記録を残していないのでおぼろげな記憶)

約1年ほど使ったうえでやめたのですが、理由は2つあります。

1つ目は、手数料が高いということです。
継続利用することで多少は手数料をオマケしてくれるのですが、私が利用したときは預けている資産の1%が手数料でした。資産が増えても減っても1%減っていくのは、長い目で見たときに大きなデメリットだと感じました。

2つ目は資産の投資先です。
私がAI投資したときには投資志向は「バランス型」にしていました。それなりのリスクを取り、それなりのリターンを期待するというものです。AI投資なので当然ながらお任せしていたのですが、ある時「AIは何を買っているんだろう?」と興味を覚えました。AI投資では資産の内訳をみることができたのですが、その時愕然としたのは資産の6割が中国に投資されていたことです。私の勝手な思い込みの中では、中国は「自由競争の経済ではないので、ハイリスクな投資先」だという認識だったので、まずそこに驚きました。また、それ以外の資産のほとんどが発展途上国に投資されており、ごく一部が債券に投資されていました。
その構成を見たときに、私の眼にはハイリスク・ハイリターンな資産構成に思えました。ちょっと怖くなったので、その後は設定をローリスク・ローリターンに変更しました。

結果として資産は減りましたが、資産が減ったことには良いとか悪いという感情は持ちませんでした。
ただ、利用する中で理解した事実を通じて、AI投資によって投資先を自分で選ばないで済むということは「作業は楽だが、精神的には落ち着かない」ということが分かり、自分にとっては精神的にハイリスク投資の感覚を持ちました。
投資している間は気が休まらないというのは遠慮したいので、AI投資は自分には合わないものと結論付けました。

NISA そして武漢ウィルス騒ぎ

現在、きろへる家の資産形成は貯金だけでなく、投資信託や債権も組み込んでいるのですが、その大きなきっかけになったのはNISA制度の開始と、コロナ=武漢ウィルスによる世界的株安です。

武漢ウィルスが世界中に蔓延し、世界の物流が止まり、世界の経済活動が止まった結果、世界的に株価ががっつり下がりました。この時はどれだけの期間影響がでるかわかりませんでしたが、とにかくNISA枠いっぱいで全世界株式の投資信託を購入しました。

家内にもそのことを伝えて暫く様子を見ていたのですが、数か月たっても騒ぎが収まるどころか拡大しているのを見て、家内が「自分もやる」と言い始めたのですよね。

この頃には定期預金の金利優遇キャンペーンは良くて0.3%程度。そのうえ、いろんな銀行の定期預金を使っていたので口座の管理が大変になっていて、家内としては限界を感じていたようです。

そこで、家内の証券口座を作り、私と同じく全世界株式の投資信託を購入しました。
その時家内が、自分の銀行預金も投資に回したいことと、投資のことはわからないので運用を私に任せたいと言ってきました。堅実・倹約をモットーとする家内の申し出にはかなり驚きましたが、家内なりに資産形成について色々と考えていたことを聞き、家内の個人貯金の全てと、家計の貯金のうち住宅ローンの繰り上げ返済用のものを投資に回すことにしました。

その後、短期的には上下しながら、年単位で見ると資産は増えています。
もちろん、資産価値が下がるリスクはありますが、私も家内も価格変動リスクは受容したうえで継続しています。

そして現在

そして、家内と家計の運用を任されている私としては、資産状況の透明化を考えるようになりました。
少なくない資産を扱うので、私が自分の個人資産でないものを自分の口座に移す可能性があり、自分も家内もそういう疑念や不安を持たないで済むようにしたかったのですよね。

色々資産管理アプリを試してみましたが、現在はMoneyfowerdの有料版に落ち着きました。
これで現在の資産状況や、口座間の資金移動がすべてわかるので、このアプリを通じて自分が資産の状況を把握するだけでなく、運用状況・怪しい資産移動の有無を家内が確認できるようになっています。

話は飛びますが、私には妹がいます。
その妹が、外貨建て個人年金を始めたとの話を聞きました。
外貨での資産運用に興味を持っていた私は、妹から話を聞かせてもらいました。

きっかけは「保険屋さんに勧められたから」と、保険屋さんにカモにされているような話だったのですが、当然ながら日本で貯金するよりは遥かに資産を増やせていたので、具体例としてとても参考になりました。

その後、色々と考えてみたのですが、、、
外貨建て個人年金だと手数料が少なからず抜かれてしまうことと、年末調整で個人年金分の所得控除が少額だったことから、外貨建て個人年金をあきらめて、外貨建て債券を資産に組み込むことを考えました。

資産形成を勉強する中でポートフォリオについていくつかの書籍、ネット記事を読み、いつかは国債、社債を組み込むことを考えてはいました。ただ日本国債、日本の社債は金利が低すぎて全世界株式の利回りからすると大きく見劣りして、始める気持ちにならなかったのですよね。

そこで、海外債券に目を向けてみました。
海外の債券には利回りは5%前後のものがあり、資金を外貨に換えるための為替手数料さえなんとかできれば充分投資に値することがわかりました。

あとは為替手数料だけが問題だったのですが、住信SBIネット銀行さんのキャンペーンで解決することができることがわかり、資金の一部を米ドルに変更して、米国債、米社債と、関心があった米国ETFを試すことができました。(現在進行形)

住信SBIネット銀行 外貨積立セール ※現在は終了しています

岸田ショックの激しい円安のせいで、資産の円での評価額がビビるくらい増えていますが、これはいずれ元の水準に戻ると考えているので、特に円に戻すことはせず、債券は10年単位で放置する予定です。

きろへるの投資スタイル

私は企業研究や証券アナリストなどの専門的な勉強をしていない、やる気もないので、価格分析が必要な投資は全く向かなないことを自覚しています。

また、投資の世界で資産を増やしているのは「投資したことを忘れていた人」だということを知り、買ったらほったらかしにしておこうと決めています。その昔持っていたANA株なんて、株価は当時の3~4倍になっていたので「投資したことを忘れていた人」の強さが自分の経験からも理解できるのですよね。

なので、なおさら誰かに講釈をたれるほどの知識もノウハウもないのは明らかです。
なぜなら、私の投資スタイルは「家内が貯めた貯金を偶に全世界株式の投資信託に回して、放っておく」だからです。

自分や家内が仕事を辞めることにきろへる家の資産がどうなっているかは分かりませんが、
このふりかえりを通じて、子供達には経験則としての投資例として伝えたいなと思います。