2020年11月、栃木県日光市の世界遺産「日光東照宮」へ、家族旅行2日目に参拝してきました。
奥日光で紅葉と温泉を楽しんだ1日目から一転、この日は歴史ある社寺を巡る1日です。車で中禅寺温泉から日光市街へ下り、日光観光の定番である東照宮へ向かいました。1日目に訪れた華厳の滝・中禅寺湖の様子は、下記の記事にまとめています。
日光東照宮とは
日光東照宮は、江戸幕府を開いた徳川家康を「東照大権現」として祀る神社です。家康の没後、3代将軍・徳川家光の代に、幕府の威信をかけて現在のような豪華絢爛な姿に造営し直されたと言われています。1999年には、日光二荒山神社・輪王寺とあわせて「日光の社寺」として世界文化遺産にも登録されました。
社殿には全国から集められた名工たちの技が集結しており、彫刻の数は境内全体で5,000体以上とも言われています。歴史の教科書で見るだけだった世界遺産を、実際に自分の目で見られるとあって、大人も子供も出発前からとても楽しみにしていました。
私たち家族は旅行の移動手段に基本的に車を選んでいて、運転そのものが好きということに加え、家族4人分の交通費を抑えられること、現地で荷物を積んだまま自由に動き回れることが大きな理由です。1日目に宿泊した中禅寺温泉からいろは坂を下り、日光市街の駐車場に車を停めて、参道を歩いて東照宮へ向かいました。
日光東照宮というと厳かな神社というイメージが強かったのですが、実際に歩いてみると、彫刻を探しながら境内を巡る、ちょっとした宝探しのような感覚も味わえるスポットでした。歴史の知識がなくても、色鮮やかな彫刻や金箔の輝きを見ているだけで十分に楽しめるので、子供連れの家族旅行にもおすすめしやすい世界遺産だと感じました。
見どころ
紅葉に包まれた参道を歩く
参道に入ると、両脇の杉木立の合間から、赤や橙に色づいたモミジが顔をのぞかせていました。杉の深い緑と紅葉のコントラストがとても美しく、石造りの記念碑が立つあたりから奥へと続く参道は、多くの参拝客でにぎわっていました。
訪れたのは2020年ということもあり、行き交う参拝客のほとんどがマスクを着けている様子も、今振り返ると時代を感じさせる1枚です。それでも大勢の人が紅葉と世界遺産を目当てに集まっている光景からは、日光東照宮の人気の高さがうかがえました。
参道の入り口には「日光山内」と刻まれた大きな石碑が立っていて、ここから輪王寺・東照宮・二荒山神社の「二社一寺」と呼ばれるエリアが広がっています。杉並木の奥まで続く参道の眺めは、紅葉がなくても十分に見応えがありそうですが、赤や橙に色づいたモミジが加わることで、より一層華やかな雰囲気になっていました。
砂利の敷かれた参道は歩きやすく整備されていて、道の両脇には案内板や由緒を記した石碑がいくつも立っていました。当時は感染対策もあって遠方への旅行を控える人も多い時期でしたが、それでも紅葉シーズンの週末とあって参拝客は多く、日光東照宮の人気の高さを感じました。石鳥居をくぐるところからすでに独特の緊張感があり、子供たちも心なしか背筋を伸ばして歩いていたのが印象的でした。
国宝・陽明門
参道を進んでいよいよ姿を現したのが、国宝「陽明門」です。508体もの精巧な彫刻が施された、まばゆいばかりの門で、あまりの美しさに1日中見ていても飽きないことから「日暮の門」とも呼ばれているそうです。
実際に目の前に立ってみると、金箔や極彩色の彫刻が何層にも重なり合っていて、確かにどこを見ても新しい発見がありそうな緻密さでした。門の下は参拝客で長い列ができていましたが、それだけの価値がある見応えでした。龍や獅子、唐子(からこ)など、彫刻ひとつひとつに意味が込められているそうで、ガイドブックを片手にゆっくり見比べてみるのもおすすめです。
陽明門には「魔除けの逆さ柱」と呼ばれる、あえて模様を逆さまに彫った柱があるという話も、事前に調べて知っていました。「完璧なものはやがて崩れる、あえて未完成の部分を残すことで長く保たれるように」という魔除けの意味が込められているそうで、実際にどの柱がそうなのか、家族で探しながら見上げるのも楽しい時間でした。
左甚五郎作と伝わる「眠り猫」
陽明門をくぐった先の回廊で見つけたのが、名工・左甚五郎の作と伝わる「眠り猫」の彫刻です。牡丹の花に囲まれてまどろむ小さな猫の彫刻で、大きさは決して目立つものではないのですが、見る角度によって表情が変わって見えると言われており、家族でしばらく見入ってしまいました。
この眠り猫の裏側には雀の彫刻もあり、「猫が眠っているからこそ雀も安心して遊べる」=平和の象徴だという説があるそうです。小さな彫刻ひとつにも深い物語が込められているのが、日光東照宮の彫刻めぐりの面白いところだと感じました。
眠り猫がある回廊をくぐった先には、徳川家康の墓所とされる「奥宮」へ続く207段の石段があります。今回は時間の都合で奥宮までは上りませんでしたが、次に訪れる機会があれば、家康公が眠るとされる場所まで足を延ばしてみたいと思っています。境内には他にも、神厩舎に彫られた「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿など、有名な彫刻がいくつもあるので、家族で「あの彫刻はどこにあるかな」と探しながら歩くのもおすすめです。
紅葉のトンネルを抜けて境内奥へ
陽明門・眠り猫を見たあとは、社殿の奥に続く静かな散策路も歩いてみました。頭上を覆うモミジのトンネルの下を、家族それぞれのペースで歩きながら、賑やかな陽明門前とはまた違った、落ち着いた雰囲気を楽しみました。

苔むした石垣が続く小道を散歩しましたが、真っ赤に色づいたモミジが頭上を覆うように広がっていて、境内の中でも特に紅葉が見事な一角でした。表の賑わいとはひと味違う、静かな紅葉散策も日光東照宮の楽しみ方のひとつだと思います。
陽明門周辺は常に多くの参拝客でにぎわっていましたが、少し奥まった散策路まで足を延ばすと、驚くほど人が少なく、紅葉と静けさを独り占めできるような感覚でした。子供たちも落ち葉を踏みながら、思い思いのペースで歩いていました。世界遺産の華やかさと、こうした静かな自然の両方を味わえるのも、日光東照宮ならではの魅力だと感じます。
グルメ・お土産
表参道周辺には、日光名物の「湯波(ゆば)」を使った食事処や、日光彫の器・お箸などを扱うお土産店が並んでいます。湯波は大豆から作られる日光の郷土料理で、京都の「湯葉」よりも厚みがあり、刺身風にしたり揚げたりと調理法もさまざまなのが特徴だそうです。境内をひと通り歩いたあとに、参道のお店を覗きながら休憩するのもおすすめです。
このほか、日光東照宮ならではのお土産として、眠り猫や三猿をモチーフにした雑貨、家康公にちなんだお守りなども参道の売店に並んでいました。具体的にどのお店に立ち寄ったかは、また記憶を整理しながらあらためて詳しく紹介したいと思います。
写真集

紅葉に包まれた参道の写真は、杉の緑とモミジの赤橙が重なり合って、日光ならではの季節感が伝わる1枚になりました。金色に輝く陽明門は、下から見上げるアングルで撮ることで、彫刻の細かさと建物全体の迫力の両方が伝わるように意識しました。

そして牡丹の中で丸くなる眠り猫の彫刻は、どれも日光東照宮らしい1枚になりました。特に眠り猫は思っていたよりずっと小さな彫刻で、近くでじっくり見なければ見逃してしまいそうな存在感でしたが、写真に収めてあらためて見返すと、その繊細な彫りの美しさがよく分かります。境内奥の紅葉のトンネルを歩く写真も、真っ赤なモミジが空を覆うように広がっていて、世界遺産の厳かな雰囲気とはまた違う、日光の秋らしい1枚になりました。
まとめ
おすすめ度:★★★★★
滞在時間の目安:1.5〜2時間程度
教科書でしか見たことのなかった世界遺産を、紅葉の季節に家族みんなで実際に歩けたのは、とても貴重な経験になりました。陽明門の彫刻の緻密さ、眠り猫の愛らしさ、そして境内奥の静かな紅葉の小道と、ひとつのスポットの中でも表情の異なる見どころが詰まっているのが日光東照宮の魅力だと思います。
拝観料はかかりますが、江戸時代の職人たちの技術をこれだけ間近で見られる機会はなかなかありません。歴史好きの大人はもちろん、彫刻に隠された猫や猿などの動物モチーフは子供たちにも見つけやすく、家族で「あれは何の動物かな」と話しながら歩くのも楽しい時間になりました。紅葉の時期はとくに参拝客で混み合うので、早めの時間帯に訪れるのがおすすめです。
隣接する日光二荒山神社・輪王寺と合わせて「二社一寺」を1日でまとめて参拝することもできますが、今回は東照宮だけでもゆっくり1.5〜2時間ほど滞在し、彫刻を一つひとつ見比べながら歩きました。前日に奥日光の自然を楽しんだ分、この日は歴史と職人技にどっぷり浸る、メリハリのある2日間の旅になったと思います。
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日光東照宮の観光情報など
日光東照宮 公式ホームページ
住所 〒321-1431 栃木県日光市山内2301
拝観時間 4〜10月 9:00〜17:00/11〜3月 9:00〜16:00(受付は閉門30分前まで)
拝観料 大人・高校生1,600円、小・中学生550円(参考価格、訪問時期により変動する可能性があります)
