中学1年生の娘が吹奏楽部に入り、コントラバスを担当することになりました。
2026年7月の末、娘のほうから相談してきました。家で練習してもっと上手になりたい、だから楽器を買えないか、と。
事情を聞くと、なかなか難しい話でした。部活で使っているコントラバスは学校の備品で、しかも大きいので持ち帰れません。いまの課題は指使いだそうで、それを練習するには同じくらいの大きさの楽器が要ります。けれども我が家には楽器がありません。
とはいえ、あの大きさの弦楽器をそのまま家で鳴らすわけにもいきません。普通に音の出るコントラバスを買う、という選択肢は最初からありませんでした。 娘が家で練習できる環境を作れるか。考えるべきはそこでした。
調べていくうちに行き着いたのが、ヤマハのサイレントベース「SLB300」でした。コントラバスとほぼ同じ弦の長さと構えを保ったまま、音を響かせる胴の部分をなくした電気式の楽器で、公式サイトでは「エレクトリックアップライトベース」と紹介されています。生の音はごく小さく、ヘッドホンやアンプにつないで、自分だけが音を聞きながら弾く仕組みです。
指使いの練習がしたい、でも家では音を出せない。我が家の事情には、ちょうど合いそうでした。
あとは実物です。カタログの写真と値段を見ているだけでは、娘の体に合うのかも、これで指の練習ができるのかも分かりません。この楽器を娘に試させること。 それが8月8日に横浜へ出かけた目的でした。
横浜駅の3軒では、コントラバスに出会えなかった
まず横浜駅の近くを回りました。結果から書くと、3軒ともコントラバスは置いていませんでした。
ヨドバシカメラ マルチメディア横浜は、そもそも弦楽器の扱いがありませんでした。電子ピアノと電子サクソフォンが中心です。村松楽器 横浜はエレキギターとアコースティックギターが中心で、あとは道具類。どちらも探しているものとは方向が違いました。
クロサワ楽器店 横浜店は品揃えが豊富で、吹奏楽で使う楽器も前の2軒より充実していました。チューバがずらりと並んでいて、値段もさまざまです。それでもコントラバスはありませんでした。
3軒回って、決まったものは何ひとつありません。ただ、娘はいろいろな楽器や道具を見られて楽しそうでした。店がどれも横浜駅の近くにあったので、歩き回った疲れもなさそうです。
そして最後に、本命のみなとみらいへ向かいました。
試奏できる店、というのがどれだけありがたいか
ヤマハミュージック横浜みなとみらいは、横浜シンフォステージというビルの1階と2階に入っています。新高島駅から徒歩1分。ピアノから管楽器、弦楽器、打楽器、楽譜や音楽雑貨まで扱う大きな店です。
この店の特徴は、楽器を実際に鳴らせることです。公式サイトによると、管弦楽器は事前に試奏の予約ができて、専用ルームでゆっくり試せるようになっています。サイレントバイオリンやギター、電子ドラムは自由に体験できます。
3軒回ったあとだったからこそ、この価値がはっきり分かりました。私たちが知りたかったのは「娘がこれを弾けるか」であって、それは音を出してみないと分かりません。しかも結果的に、目当てのサイレントベース以外にもいろいろな楽器に触れて、見て回ることができました。
行ってみてどうだったか
まず足が止まったのは、楽器のキーホルダーだった(予定外)

入ってすぐ、私の目にとまったのがワイヤーでできた楽器のキーホルダーでした。今回の目的とはまったく関係ありませんが。。。これは、どの入り口から入るかによると思います。出入口はいくつかありますので。
トランペット、ホルン、クラリネット、フルート、ヴァイオリン。針金を曲げただけのように見えて、ピストンの並びや管の巻き方まで再現されています。細かいところまでよく作ってあるものだと感心しました。結局買いませんでしたが、しばらく眺めていました。
娘が見つけた、コントラバスの練習教材

書籍のコーナーで、娘がコントラバスの練習教材を見つけてきました。これは一緒に目を通しました。自分の楽器の教材が当たり前に置いてある、というのも、ここまでの3軒とは違うところでした。

そして、こんなところにもシマエナガ!
シマエナガ好きな息子のテンションが上がります。
気が付くと、家族全員が楽器の前にいた
その後、楽器コーナーへ移動し、、、気が付くと、家族全員が楽器を触っていました。
本命は、もちろん電子コントラバスです。娘がまずそれを弾き、続けて電子バイオリンと普通のバイオリンも弾かせてもらいました。1本あたり3分から5分くらいでしょうか。はっきりとは覚えていません。
私と息子も同じように、コントラバスやバイオリンを試しました。小さな子供向けの、体に合わせた小さいバイオリンもあって、これが面白かった。家内は娘に付いて、一緒に回っていました。
店員さんには、自宅でコントラバスの練習をしたいのだと相談しました。返ってきた答えは、実際に弾いてみたSLB300を使うのがよいのではないか、というものでした。予想はしていましたが、店の人にも勧めてもらえた形です。
弾いて、見て、聞いて、あっという間に時間が過ぎました。楽器そのものだけでなく、説明の資料もあちこちに置いてあって、読んでいるだけでも楽しめます。
振り返ると、こうなったのは店の作りのおかげでした。並んでいる楽器の数が多く、そのうち自由に触れるものも多い。そして、ほかのお客さんが誰ひとり楽器を独り占めしていませんでした。順番を待つ気配すらありません。だから娘の付き添いで来たはずの私と息子まで、気軽に楽器を手に取ることができました。
ヘッドホンをして演奏!でも、うまく音が出せなかった
ひとつだけ、うまくいかなかったことがあります。
娘がヘッドホンをしてサイレントベースを弾いたのですが、音がほとんど出ませんでした。
学校で練習しているときのように演奏しようとしても、ダメなようです。
「松脂を使っていないからかな?」
娘はそう言って、不思議そうにしていました。
私も代わって弾いてみましたが、同じでした。弓をかなり強く押さえつけないと、音になりません。
弦楽器の弓は、毛に松脂を塗ることで初めて摩擦が生まれ、弦をとらえて振動させます。塗っていない弓は弦の上を滑るだけで、ほとんど鳴りません。素人なので確信はありませんが、なんとなく娘の予想は当たっていたように思います。
結局その場では原因が分からないまま、次の楽器へ移りました。試奏用の弓だったからなのか、別の理由があったのか、いまも分からずじまいですが、娘はそれなりにイメージできたようで、満足したようです。
お値段561,000円

お目当てだったのが、このサイレントベース SLB300です。値札は561,000円でした。
あらかじめ調べていたので、値段そのものに驚きはありませんでした。隣に置かれていたアンプが62,700円。音の出口としてそれなりの品質のヘッドホンも要るだろうと考えていたので、本体だけで終わらないことも織り込み済みです。
ただ、この価格帯より手ごろな選択肢もあるのでは?とちょっぴり期待していたのですが、少なくともこの店では見当たりませんでした。娘を応援したい気持ちは大きいのですが、楽器を始めたばかりの人間が手にするには高額すぎます。
この日は、どんなものが必要か分かったことで充分目的を果たせたこともあり、次はほかのメーカーも調べてみよう、というのがこの日の結論になりました。
ただ置いてあるだけの管楽器が、綺麗だった

娘のパートとは何の関係もないのですが、管楽器の棚の前でも足が止まりました。銀色と金色のトランペットがずらりと並んでいて、単純にきれいだったのです。
値札を見ると、トランペットに368,500円のものがありました。
真剣に取り組もうとすると、種目に関係なく良い道具が必要になるのだな、と思いました。楽器に限らず、本気でやるものの道具は高い。そこに職人の手作業が入ると、さらに高くなる。子供の部活の道具を探しに来ただけのつもりが、そんなことを考えていました。
他の楽器と一風変わっていて、気になったオカリナ

ショーケースにオカリナが並んでいました。普段あまり見かけない楽器なのと、管楽器や弦楽器が多く置いてある中では風変わりな印象だったので、興味がわいて足を止めました。
値段は7,150円や8,250円のものがあって、3万円を超えるものまで幅があります。色も形もそれぞれ違っていて、でも非常に素朴な感じが印象的です。同じ楽器なのですけどね。
買うつもりはありませんでしたが、こうして様々な楽器をゆっくり眺められるのも、大きな店ならではだと思います。
帰り際、1階で見上げたArt of Sound

そろそろ帰ろうというころ、大きなビジョンの前を通りました。よく見ていなかったのですが、風景の中で楽器が音を奏でるような映像が流れていたように思います。決められた時間に、スクリーンの映像にあわせてラウンジに置いてある楽器たちが音を奏でるというイベントもあるようです。

出る前に1階を見て回っていて、目をとめたのがこの吹き抜けでした。Art of Soundという作品で、楽器の部品が無数に吊り下げられています。ガラス越しにみなとみらいの街が見えて、その手前で金色の部品がゆっくり光っていました。
ほかに撮った写真

作曲家の缶バッジ。バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、ショパン、モーツァルト、シューベルト、チャイコフスキー。音楽室の壁で見た顔が、そのまま缶バッジになって並んでいました。

ハンディファンやマグカップ、バンドファイル。「音楽」という題材でもこれだけ雑貨があるものかと、音楽に打ち込んでこなかった私なんかは驚きます。
今回気づいたこと
- コントラバスは、置いている店が限られる:この日回った横浜駅近くの3軒には1本もなかった。大型の弦楽器を探すなら、行く前に電話で在庫を聞いたほうが早い
- 管弦楽器は事前に試奏の予約ができる:公式サイトによると専用ルームでゆっくり試せる。当日ふらりと行った我が家は自由に触れる楽器を試したが、じっくり比べたいなら予約しておくとよさそう
- 本体だけでは終わらない:サイレントベースならアンプとヘッドホンも要る。予算は本体価格+αで考えておく
- 楽器によって、自宅練習のやりやすさがまったく違う:管楽器なら消音器、弦楽器なら電子タイプ、といった選択肢の有無が楽器ごとに違う。ここは楽器が決まってから調べたほうが早い
基本情報
- 施設名:ヤマハミュージック 横浜みなとみらい
- 住所:〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい5-1-2 横浜シンフォステージ ウエストタワー1F〜2F
- アクセス:みなとみらい線「新高島駅」3番・4番出口から徒歩1分/「みなとみらい駅」1番出口から徒歩7分/「横浜駅」東口から徒歩11〜13分
- 電話:045-307-1010
- 営業時間:11:00〜18:30
- 定休日:火曜日(祝日の場合は営業)
- 入店料:無料
- 駐車場:店内で税込5,000円以上の購入で駐車券30分×1枚(上限2枚)
- 滞在時間:我が家は約1時間
- 公式サイト:ヤマハミュージック 横浜みなとみらい
楽器探しで調べておきたいこと
同じように子供の楽器を探す方が、このあと調べるであろうことをまとめました。私たちが試していない項目は、リンク先で最新情報を確認してください(2026年9月時点)。
| 調べたいこと | 簡易情報 | 参照先 |
|---|---|---|
| 試奏の予約方法 | 管弦楽器は事前試奏予約が可能。専用ルームで試せる | 店舗ページ |
| 当日体験できる楽器 | フルート・クラリネット・サクソフォン・トランペットは当日受付。サイレントバイオリン、ギター、電子ドラムは自由に体験 | 店舗ページ |
| サイレントベースの製品情報 | SLB300ほか。ヘッドホンで音を出さずに練習できるタイプ | ヤマハ サイレントベース |
| 営業時間・定休日 | 11:00〜18:30、火曜定休(祝日は営業) | 店舗ページ |
| 駐車場 | 税込5,000円以上の購入で30分券(上限2枚) | 店舗ページ |
| 音楽教室 | 同じ建物に教室が併設されている | ミュージックアベニュー横浜みなとみらい |
| 横浜駅周辺の楽器店 | この日はヨドバシカメラ マルチメディア横浜/村松楽器 横浜/クロサワ楽器店 横浜店を回った | Googleマップで探す |
まとめ
結局、この日は何も買いませんでした。
それでも、いま振り返ってこの日を一言で言うなら、買い物の下見ではなく家族で楽器に触れた日です。横浜駅の3軒は見て回っただけでしたが、ここでは触って、鳴らして、聞くことができました。娘はコントラバスでうまく音が出せなかったけれど、実際に構えられて、ほかの楽器も見て回れて、充分に喜んでいました。私も、技術がないので演奏にはなりませんでしたが、バイオリンで音を出せたのが素直に楽しかった。楽器がずらりと並んだ光景がきれいだったことも、行く前には考えてもいませんでした。
サイレントベースの実物に触れて、店員さんにも勧めてもらえたので、当初の目的も果たせています。そのうえで娘は「楽器を買いたい」から「自宅でどう練習するか」へ考えを進めることになり、私はそのあと他のメーカーの電子コントラバスを調べています。探してみると10万円を切るものもあって、いくつか情報を渡したところです。娘は娘で、自宅では練習中の曲を聴くようにしているようです。
楽器を探して分かったのは、自宅で練習しやすい楽器と、そうでない楽器があるということでした。同じ吹奏楽部でも、担当する楽器によって事情がまるで違います。
同じ立場の方に何かを勧められるほど、私に知識はありません。ただ、吹奏楽部の部員は親御さんが経験者であることが多いように感じます。悩みごとは、まず経験者に相談するのがいちばんの近道かもしれません。我が家も、次はそうしようと思っています。

